「おもひで ぽろぽろ」

    天王洲銀河劇場でミュージカル「おもひで ぽろぽろ」を観て来ました。

    原作はみなさんご存じのスタジオ・ジブリのアニメーション映画「おもひでぽろぽろ」
    (脚本・監督/高畑勲 原作/岡本螢・刀根夕子)
    です。

    実は宮崎監督のアニメはちょっと苦手な私
    観るたびに「わずかながらの違和感」を感じる。
    それが何かはわからない。
    ただ、自分の感性には「違和感」と感じる何かがある。
    でも、高畑監督の作品にはそれが無い。
    だから、「火垂るの墓」も「おもひで ぽろぽろ」も「平成狸合戦ぽんぽこ」も大好きです。

    今回、高畑さんは「わらび座だったら」とミュージカル化をOKしたそうです。
    秋田を拠点としている劇団ですし、規模も大きく、実績も積んできた劇団ですからね。

    父がわらび座ファンだったので、子どものころからよく観てました。
    当時はミュージカルではなく、民舞を構成した舞台やら、「歌舞劇」と呼ばれる和風オペラみたいな感じでしたが・・・。
    最近では、「火の鳥 鳳凰編」「龍馬!」「アトム」を観ています。

    スタッフ

    台本・作詞 齋藤 雅文  
    演出 栗山 民也(長野さんの「りんご」を演出された方です)  
    作曲 甲斐 正人(東宝ミュージカルの音楽監督も多数手掛けている方)

    キャスト 
    タエ子 朝海 ひかる
    タエ子の母/山形のばっちゃ (2役) 杜 けあき
    トシオ 三重野 葵(わらび座の若手ホープ)


    ジブリサイトには、

    高畑監督は、
    「過去を振り返られる人間が未来を作ることができる」
    というメッセージを本作品に込めました。

    と、書いてありました。

    劇中でも「過去と未来を考えることができる。それが人間だ。」というセリフが何度か出てきます。

    都会の喧騒から離れ自分自身を見つめたタエ子が、自然の営みや農家の人々との出会いの中で成長する姿描いている作品です。

    何か特別なことが起こるわけではありません。

    演出の栗山民也さんは、奇をてらうこと無く、しかし丹念に丹念に、そして印象的に
    その世界を作り出していました。

    もしかしたら、これまで観たわらび座作品の中でも一番好きかも。

    朝海 ひかるさんは宝塚で男役だったとは思えないほどたおやかでした。
    美しい立ち姿はさすが。
    凛とした雰囲気もあわせ持ち、この役にぴったりでした。
    アニメのタエ子と比べると、ちょっと美しすぎたかも。
    アニメのタエ子はしわもリアルに描かれていましたからね。

    杜 けあきさんは、「迷宮伝説」で坂本さんとも共演している方。
    こちらも宝塚トップで活躍された実力派です。

    今回はタエ子の母とタエ子が夏休みに訪れる姉の夫の実家のばっちゃの二役を演じていらっしゃいます。
    自分を見失いそうになってやってきたタエ子を暖かく受け止めて、そっと背中を押すばっちゃ。
    ほんとうにキュート。

    ばっちゃが戦死した初恋の人や、10歳で身売りされた姉を思い出すシーンは
    涙があふれました。

    三重野 葵さんはじめ、わらび座の皆さんは
    栗山さんが期待した通り「土」の臭いを感じさせる好演。
    山形弁がネイティブ(に聞こえた)

    得意の民舞(太鼓と笛は役者さんの生演奏)も物語の中で、効果的に活かされていました。

    有機農法に取り組むトシオが、近隣の農家から理解されずカラ回りして苦しむ場面や
    それを家族が暖かく見守る場面など
    「りんご」につながるテーマも織り込まれていました。
    今の日本農業、東北の現状もしっかりと描かれていました。

    大震災が起こり
    今さらながらではありますが、

    日本の農業の大きな部分を東北の皆さんが担ってくださっていたのだと
    痛感しました。

    この震災で、なし崩し的に日本の農業をつぶしてしまってはいけないと思います。
    作品で描かれている美しい里山の風景も・・・。

    公演後役者さんたちが募金箱を持って出口に立ち、
    募金を訴えていらっしゃいました。
    日テレ関連なので、24時間テレビの募金箱でした。

    タエ子が小学校5年生の時に転校して行った、アベくんとの苦い思い出は、
    誰しもどこかで似たような体験をしているのでは?

    みんなから「臭い」「汚い」と遠ざけられていたアベくん。
    タエ子は「そんなこと言うべきではない」と言って
    みんなから「良い子ぶっている」と言われてしまいます。
    しかし、転校する時クラス全員と握手することになり
    緊張して握手して回っていたアベくんがタエ子に手を出した時、
    思わずタエ子は手を少し引っ込めてしまう。
    それを見たアベくんに「お前となんか握手してやるもんか」と言い捨てて去っていく。
    誰よりもアベくんを「汚い」と思っていたのは自分だった
    と思い出し、過去から逃げずに向き合うタエ子。

    キュ~っと胸がしめつけられました。
    辛い思い出から目をそむけては、未来も見えない。
    静かに気づかせてくれる、作品でした。

    残念ながら、天王洲での公演は今日が最後。
    昨日は前楽にも関わらず、平日昼だったためか、会場には空席が目立ちました。
    質の良い日本オリジナルミュージカルなのに、もったいない。
    そりゃ、ブロードウェーとかウエストエンドものとは比べようもないほど地味ですが、
    こういう文化を日本でも育てていかないと、いつまでたってもブロードウェー頼りになってしまいます。

    5月からは秋田のわらび劇場でロングラン上演される予定らしい。
    こちらは、キャストが朝海さん、杜さんから、劇団の方々に代わるようです。

    劇場のオフィシャルサイトを見たら、劇場だけでなく、多角的にいろいろ事業展開されているようで、ちょっとびっくりしました。
    日本では、演劇だけではやっていけないってことですかね。

    日本の演劇を支えていかなくっちゃなぁ・・・。

    という訳で、来月は高畑淳子さんの劇団青年座の「をんな善哉」を観に行く予定です

    Date: 2011.04.29 Category: ミュージカル・演劇・映画  Comments (0) Trackbacks (0)

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