「国民の映画」 久々のKAAT

    KAATに三谷幸喜さん作・演出の「国民の映画」を観に行ってきました。

    今年「三谷幸喜生誕50周年感謝祭」と題して、怒涛の新作ラッシュをされている三谷さん。
    震災の影響か、「感謝祭」というお祭りムードは控えれらているようですが・・・。

    信じられないようなペースで生み出される新作の中でも、
    「唯一、三谷さん発進だったのがこの作品だ」とどこかで読んだ記憶があります。

    1941年秋、ベルリンの一夜が舞台の2幕1場
    休憩はさんで3時間15分。(なかなかの大作だ)

    ヒットラー内閣の宣伝大臣ゲッペルスの家でホーム・パーティーが開かれる。
    そこに集まってきた映画関係者たち。

    彼らが愛したのは
    映画が
    国家か

    出演は
    小日向文世さん
    段田安則さん
    風間杜夫さん
    白井晃さん
    石田ゆり子さん
    シルビア・グラブさん
    新妻聖子さん
    今井朋彦さん
    小林隆さん
    平岳大さん
    吉田羊さん
    小林勝也さん

    ピアノ演奏は荻野清子さん

    という、そうそうたるメンバー

    クスッと笑うところは多々ありつつも喜劇ではありません。
    登場するのはゲッペルスをはじめとした実在の人物たち。
    当然洋物。

    三谷作品としては異色ですが、WOWOWで「コンフィダント・絆」を観ていたので、
    違和感はありませんでした。

    「コンフィダント・絆」は好きな作品です。

    この「国民の映画」は
    ピアノの生演奏付きとか
    社会性と笑いの融合とか

    井上ひさしさんを意識したのかな・・・と思わせる部分も多々ありました。

    パンフレットに掲載されていたインタビューの中で

    「前回の啄木であるとか、次の漱石であるとか、そしてまえにやったゴッホを含めて、僕は彼らについて「こんな人だったんだよ」と評伝ふうに、井上ひさしさんのように観客に提出するということをやっているわけではないんですね。」

    と、述べている三谷さん。

    「お客さんの共通認識を利用する」ためという三谷さん独自の手法を展開していますが、こうして井上ひさしさんの名前を出してくるあたり、やはりどこかで意識しているように思えます。

    またこうも述べています。

    「彼らにもそういう人間味あふれる部分があったにも関わらず、結果的にああいうことになってしまった、と見ることが大事なんだと思うんです。
    ただ、ヨーロッパの人たちにとっては、まだまだ過去のこととは割り切れないし、ナチの人々について、そこまで客観的に見ることはできないのかもしれない。でもだからこそ今、僕らがやる意味があると思う部分もあります。僕ら日本人だったら客観的に観ることができるし、だからこそこういうやり方で芝居を作れるのかな、という気はします。」

    なるほど。
    興味深い視点ですね。

    しかし、裏を返せば、

    私たち日本人にとってあの太平洋戦争は何だったのか

    その問題を上手に回避しているようにも見えるし、

    逆に
    ヨーロッパの歴史を日本人の視点で客観的に観ているように見せて、
    ヨーロッパの視点で日本の歴史を客観的に見ようと試みているのかもしれません。

    いずれにせよ

    人気作家の三谷さんが、今この題材を選んだことに意義があると感じました。



    出演者の皆さんは「声が良い人」のオンパレードでした。

    響きのある明快なエロキューション

    それは舞台にとって大事な要素です。
    舞台において滑舌が悪くセリフが聴き取りにくいことほど、イラッとくるものはありません。
    昔の誰かさんの滑舌は「イラッと」というより「ハラハラ」ものでしたが・・・

    今日の舞台は、心地よかった。

    何しろ小日向さん、段田さん、風間さんですもの。
    なんでしょう。
    この安心感。

    今井さん、小林さんも良い声

    白井晃さんは今までと全く違うキャラクターを演じられていて新鮮でした。
    いつもの癖のあるセリフ回しもそんなに気にならなかったです。

    シルビア・グラブさんと新妻聖子さんの歌も聴けたので、お得感満載です。

    新妻さん、平さん、吉田さんの若手もがんばっていました。
    しかし、周りが巧すぎて、どうしても人物の陰影が浅く見えてしまうのが残念。
    最終版の心情の変化をもう少し深みを持って表現して欲しかったかな。

    私、今回一番のお気に入りは、小林勝也さん演じるグスタフ・グリュンドゲンスでした。
    最後の彼の決断は「カッコイイ」のひとこと。
    「人としての尊厳」を感じました。


    この作品には、隅々に「芸術」への愛がちりばめられています。
    そして、「芸術」とは何か?という問いかけも。

    今回は初演で荒削りの部分もありましたが、再演されたらまたぜひ見たい作品です。


    Date: 2011.04.26 Category: ミュージカル・演劇・映画  Comments (0) Trackbacks (0)

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