「ZORRO」そして「日本人のへそ」

    今日も携帯からメールでコピペです。

    手動充電した携帯はすぐに残量が減って行く…。

    「うちが携帯の充電を控えたくらいで、大勢に影響無いよ」
    と息子に言われても、意地になって充電器のハンドルを回し続ける私。

    原発がある地域の皆さんの命と
    自分と自分の家族の命を危険にさらすという犠牲の上に、
    今までのうのうと電気を使って来た自分が許せない。

    学生の頃、親の仕送りで暮らしている自分が許せなくて、
    4年間一度も帰郷しなかったあの時の感覚にどこか似ています。

    「ZORRO」カンパニーも大変な状況の中、力を合わせて航海し、
    劇場に足を運んだ観客の皆様に勇気と希望を届けているようです。

    こういう時こそ、彼らの歌声が必要なのだと思います。

    カズさんをはじめカンパニーの皆さんが、
    坂本さんのプロとしての行動を讃えてくださっています。

    ありがたいです。

    でも、あえて言わせていただきます。

    坂本さんがしたことは、プロとして当たり前のことであり、
    特別に称賛されるようなものではないと私は思っています。

    舞台監督と劇場がストップをかけるまで、全力で演じる
    それは、役者としてごくごく当たり前のことです。

    演じ続けたことで、万が一観客に怪我などの事故が起こった場合でも、
    良心の呵責にさいなまれはすれ、役者に責任は問われません。

    判断をするということは、責任を取るということです。

    責任を問われる舞台監督や劇場責任者はより高度な判断を求められます。

    この場合坂本さんに課せられた責任は、
    次の日以降も公演が続けられるように
    自分が怪我をしないことです。

    人の命をあずかる仕事は常に判断と決断を求めらます。
    私はそんな仕事をずっとして来たました。
    プロの仕事においては、
    特にチームを組んで仕事している場合は、
    役割分担があり、
    それぞれの役割でそれぞれの責任を全うします。

    坂本さんは、自分の役割を良く理解し、それを全うした。
    それだけです。

    それさえできない人もいますが、
    そういう人はその人の世界で生き残れない。
    それだけです。

    私が私の責任を全うし続けるよう、さらに強靭な精神力を持ち続けるために
    坂本さんの、ゾロカンパニーの歌声が必要です。

    当たり前のことを当たり前に3ヶ月もの長きにわたって全うし続けて来た
    大好きな人を見届けるために、大阪に行きます。


    今日はシアターコクーンへ行きました。
    井上ひさし作、栗山民也演出「日本人のへそ」を観るためです。

    私はもともと休みの日でしたが、
    交通網の乱れで出勤できないスタッフがいることも予想されたので、
    職場と何度も連絡を取り合いながら、渋谷に向かいました。

    出勤できる人員と今日やるべき仕事を考慮しながら
    自分が戻って出勤するか、本日出勤したメンバーに任せるか・・・。
    ギリギリの判断でした。
    シアターコクーンに入っても、開演5分前まで連絡を取りました。
    シアターコクーンは、ロビーも携帯が通じなかったので、
    公衆電話を使いました。
    (なんとこの公衆電話10円入れて通話したのに、受話器を置いたら10円戻って来ました。
    東京も被災地だから無料なんですね。)

    結局私は戻らないことを選びました。
    「お芝居が観たい」という気持ちがあったことは事実ですが、
    それだけでは、ありません。
    「私が出ていくと、きっとみんなが私に頼るな・・・」と思ったのです。
    あの地震が来た日に、自分のふがいなさに凹んだ様子だった若いチーフに
    「今日は任せてみよう」と考えたのです。
    いつもよりも少ない人員で、きちんと今日の業務をこなし、
    明日以降の変更にも臨機応変に対応してくれたスタッフのみんな。
    終演後、電話した時に「みんなで力を合わせて無事乗り切りました!」
    というチーフの明るい声を聞いた時は、ほっとしたと同時に、
    「任せて良かった」と思いました。


    「日本人のへそ」は井上ひさしさん34歳の時の作品です。
    テアトル・エコーに書きおろしたものだそうです。
    (テアトル・エコーと言えば、熊倉一雄さん、納谷悟朗さん、安原義人さ~ん
    1985年こまつ座第2回公演、栗山さん演出で上演されています。
    私はこの時に観ています。
    1985日本人のへそ

    まだ、20代でした。

    今回石丸幹二さんが演じた会社員を平田満さん
    笹本玲奈さんが演じたストリッパーを石田えりさんが演じていらっしゃいました。
    なんとその時、島田歌穂さんもご出演になっていたんですね。

    平田満さんの少年のようなたたずまいと
    緩やかなS字カーブを描く立ち姿に魅了されてしまった私は、
    島田さんの事はほとんど憶えていませんっ
    ごめんなさい

    (あれ以来大好きです。平田満さん。
    「SP」は、「平田さんを見たい!」それをモチベーションに観てました。)

    今回は、「アリバイのない天使」にご出演されていた植本潤さん、
    高畑敦子さんの娘さんである高畑こと美さんも出演されています。

    吃音の人々が吃音を克服する療法として、みんなでお芝居をする。
    その中の一人ストリッパーの半生をお芝居仕立てに演じて見せる。
    その中で、戦後を生き抜いて来た日本人の姿があぶりだされる。

    予測もつかぬどんでん返しに、さらなるどんでん返し。

    どこかで見たような予想できちゃうどんでん返しとは、訳が違います。
    緻密な構造
    深い問題意識
    しかし、少しも難しくない。
    おもしろい。
    日本語も、そこで生きる人間たちも。
    不謹慎とは思いつつ、何度も、笑いました。
    「難しいことをやさしく」がモットーだった井上さんの真骨頂です。

    庶民のたくましさとしたたかさ
    歪んだ権力構造の闇

    減反に苦しむ岩手の農家から、集団就職で東京に出てくる少女がストリッパーになっていきます。
    父親が出稼ぎに行っても食べていけず、子どもたちも出て行ってしまう。
    「一人減り、二人減り、そして誰もいねぐなった。」と歌うシーンでは、
    今この時の被災地の皆さんの事を思い、涙が出ました。

    パンフレットで演出の栗山氏は
    「歴史に対し自分たちなりに眼差しを向け、
    人間が本来持っているはずの「力」を取り戻して欲しいというその祈りが、
    井上さんの理想とは程遠い、今の日本人に深く届くようにと、
    日々念じながら稽古を重ねている。」
    と述べています。

    井上さん

    今のこの大災害に見舞われた日本を
    どんな気持ちでごらんになっていますか?

    私たちは、人間が本来持っているはずの「力」を取り戻せるでしょうか。

    あなたの祈りに触れ、私はその「力」を持とうと決意することができました。

    客席は3分の1くらいしか埋まっていませんでした。
    混乱した交通事情の中、来ることを断念した方もいらっしゃったのでしょう。
    そんな寂しい客席でも、懸命に演じる役者の皆さん。
    そんな皆さんに応えるように笑い泣く客席。
    カーテンコールでは、惜しみない拍手、拍手、拍手。

    同じBunkamuraのオーチャードホールで予定されていたバレエの公演は中止でした。
    こんな混乱の中、公演してくださったこまつ座の皆様、シアターコクーンの皆様
    ありがとうございました。

    井上ひさしさん

    すばらしい作品をありがとうございました。
    Date: 2011.03.14 Category: ZORRO  Comments (1) Trackbacks (0)

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    Date2011.03.15 (火) 01:23:51

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    V6(ファンになって14年目)と
    ウルトラ(ファンになって49年)と
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    (足を運び始めて22年)
    様々なジャンルの舞台(はまって50年)から、
    日々の活力をもらっています。

    これらに共通するのは、「イマジネーションを喚起する一期一会の出会い」があることです。

    いくつになっても、自らのイマジネーションの泉を枯らさないために、ブログを書いています。

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