演劇脳を駆使して幸人くんに寄り添う3

    今回のテーマは

    親と支援者の違い

    前回の記事で
    「私は、母親と先生に感情移入して観ました。」
    と書きました。

    前回は母について言及したので、
    今回は瑛子先生について、書きます。

    演じている小島聖さんの体積が大きい(良い意味で・・・)ので、
    剛くんが15歳に見えやすかったと思います。

    絶妙なキャスティングです。

    ちょっとミステリアスな雰囲気を持っているところも
    瑛子先生の人物像に深みを持たせていました。

    瑛子先生は、幸人くんのような「生き辛さ」を抱えている子どもを導く「専門性」を持っている人です。
    しかし、「専門性」があるからと言って、すべてを理解している訳ではありません。
    幸人くんと接することで、常に新しい発見もしていきます。

    父が佐久間さんちの犬を殺した犯人だと知って、
    「一緒にはいられない」と感じた幸人くんは、家を出る決心をします。
    その時、いろいろな人に「うちに来ない?」と手を差し伸べられます。
    瑛子先生もその一人でしたが、その時幸人くんは、「家族じゃないから」と断ります。

    冒険を終えて、幸人くんが瑛子先生に「瑛子先生の家に行きたい」と申し出た時、
    瑛子先生は断ります。
    「私は、幸人くんのお母さんじゃないからよ。」と。

    これは、一見矛盾しているようですが、そうではありません。

    この変化の間には、幸人くんと瑛子先生
    双方の成長があるからです。


    冒険を通じて、幸人くんは
    「家族じゃない人の中にも、信頼に足る人が存在する」ことを知ります。

    その確信の上に立って、これまでの経験を振り返った時に、
    「それは、瑛子先生だ」と考える訳です。

    一方瑛子先生は、親切心と教師としての責任感で、一度は幸人くんを引き取ることを考えたものの、
    彼の冒険について、本と劇という追体験を通じて、決定的なことに気づくのです。

    支援者は側面から子と親に支援できても、その子の一生に責任は負えない・・・と。
    それは、親の役目だと。

    ラストシーンは、
    幸人くんの「それって、ぼくはなんでもできるってことだよね?」という問いかけに対して
    瑛子先生が何も答えず暗転となり、物語は終わります。

    原作はクリストファーの一人称物語なので、
    「そしてそれはぼくがなんでもできるという一つの証拠です。」
    で、終わっています。

    「一つの証拠です。」ってとこが、ミソなのですが。

    幸人くんの冒険は、彼の世界を広げ、自信を持たせた画期的な出来事ではありました。
    しかし、それは「なんでもできる」ことと=(イコール)ではありません。

    成長した幸人くんですが、彼が持っている「個性」は変わらず存在しています。
    したがって、これから大人になり、社会に出ていくにあたって、
    さまざまな困難にぶつかることは容易に想像できます。
    その事実を瑛子先生は知っているのです。

    だから「そうね、なんでもできるわね」と言う事はできないのです。

    しかし、それは幸人くんの冒険とそこでの彼の成長を否定しているのではありません。
    誰よりも幸人くんの成長を実感を持って感じているからこそ、
    彼に真摯に向き合わなければならない。

    それは、支援者の直感です。
    「親よりもシビアにならなければならない」という、使命感でもあります。




    5月7日加筆

    上記事に少し言葉足らずがあると思いましたので、
    付け加えます。


    「支援者は側面から子と親に支援できても、その子の一生に責任は負えない・・・と。
    それは、親の役目だと。」

    これは、親にすべての責任を負わせるべき
    という意味ではありません。

    どの子もすこやかに成長することを保障する責任は社会にあります。
    親が先に亡くなってしまう確率が高いわけですから、
    その後、その子が社会の中でどのように生きていくかは、大きな問題です。

    幸人くんの家族をとりまく社会の最前線の支援者としての瑛子先生の責任と
    幸人くんのお父さん、お母さんの責任とは
    責任の質が違う。

    ということを述べたかった訳です。

    これでも、言葉が足りないと思いますが、
    せっかく剛くんがこんなステキな作品に出演してくれたのですから、
    この機会にじっくり考えてみることも大事だなと思っております。




    Date: 2014.05.05 Category: 夜中に犬に起こった奇妙な事件  Comments (0) Trackbacks (0)

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