「木の上の軍隊」感想

    一昨日観てきた「木の上の軍隊」の感想です。
    併せて、この作品の制作過程を追ったドキュメント
    昨日のNHKスペシャル「ラストメッセージ」も観ました。

    井上さんが最期まで書こうとしていた舞台「木の上の軍隊」
    しかし、井上さんの急逝で実現しませんでした。
    代替えとして上演された「黙阿彌オペラ」
    私はこの時
    「本来上演されるはずだったのは、どんな作品なのだろう」と
    考えていました。
    それが、「木の上の軍隊」だったのです。

    普通だったら、作家が亡くなれば、そのままお蔵入りになるところ

    しかし、その意志を受け継ぎ上演するという企画を決意したこまつ座
    それを受けたホリプロという会社と主演の藤原さん、
    演出の栗山さん
    脚本の蓬莱さん
    皆さんに共通するのは、舞台への愛と情熱、
    そしてそれぞれの分野のプロとしての能力の高さ

    感嘆しました。

    このプロジェクトを実現する原動力になったのは
    お客様アンケートで「『木の上の軍隊』観たい」という声が多かったことだそうです。

    「芝居の半分はお客さんがつくる」
    という井上さんの言葉が思い出されました。

    特に私が強く関心をもったのは
    劇作家の蓬莱竜太さんの力量です。

    蓬莱さんは演出の栗山さんのご指名だったとか。

    「井上作品の演出家」といえば、以前は木村光一さん
    今は、栗山民也さん。
    (鵜山仁さんの演出も好きです。
    蜷川さん演出の井上作品は、ちょっと苦手
    井上さんから絶大な信頼を得ていた栗山さんがご指名したのは、
    38歳という若い蓬莱さん

    恥ずかしながら、今回初めて蓬莱さんを知りました。
    プログラムに載っていた蓬莱さんのプロフィールを読んだところ
    これまでの外部書き下ろし作品の中に
    「第32新海丸」が・・・。
    そうです。
    健ちゃん主演の舞台です。

    「あの時、チケット代をケチらずに観ておけば良かった・・・」
    深く後悔しました。

    井上さんが遺した膨大な資料とわずかなメモを頼りに、
    作品を作り上げていくことは、とてつもなく困難な仕事であったに違いありません。

    結果、生み出された作品は期待以上のものでした。

    「井上さんだったらもう少し軽やかに仕上げただろうな・・・」と思う部分もありましたが、
    これだけ「重い」題材を、真摯な姿勢で、若い世代からの目線も入れつつ、
    現在の私たちにつながる物語に昇華させた彼の手腕は素晴らしいです。

    とりわけ木の上で終戦を知らず(正確にはそれぞれが違うタイミングで気づくのですが)
    2年間生き続けた二人の兵士
    戦場となった島の出身の新兵の青年(藤原さん)を沖縄(うちなー)に
    本土出身の上官(山西さん)を日本(内地・沖縄以外の日本国、やまと)に
    投影して描くというアイディアは、成功していたと思います。

    私はやまとんちゅうですから、山西さん演じる上官の言動に、
    ドキッとさせられるところが多々ありました。

    ラストの処理
    (二人が木から下りた後も、彼らの心はガジュマルの木に残り、
    木となり、そこから島を、日本を見続けている)
    は、不自然には感じませんでした。

    ステージは、前4列の座席を外し、前に張り出した状態。
    傾斜状になった大きなガジュマルの木の上は、足場も悪く
    そこでの演技は体力的にも精神的にも大変なことでしょう。

    前から2列目だった私は、二人が食料を探しに木から下りてくるシーン以外は
    ずっと見上げている状態でしたので、首が疲れました。

    ラストの二人が木になるシーンでは、傾斜していた木が後ろに下がって、
    ゆっくりと立ち上がります。
    すごい迫力です。
    垂直に立ちあがる木の上で、姿勢を崩さず立ち続けなけらばならないお二人
    相当な筋力を使う事でしょう。

    たった3人の出演者ですが、藤原さんも、山西さんも、片平さんも
    キメの細かい感情表現をされていて、素晴らしい演技でした。


    出かける前日の親子の会話

    私「明日、『木の上の軍隊』っていうお芝居観てくるから。
    主演は藤原竜也さん。舞台で観るのは初めてだから、楽しみ。」

    息子「藤原竜也?『何をやっても藤原竜也』の藤原竜也?」

    私「まあ、そういう傾向は無きにしも非ずだけどね。」

    (私たち親子の中には、
    TVで観た映画「デス・ノート」や「カイジ」、舞台「ロープ」「ろくでなし啄木」
    のイメージがこびりついていました。)

    帰宅した後の親子の会話

    私「ただいま。すごく良かったよ『木の上の軍隊』」

    息子「藤原竜也は、やっぱり『何をやっても藤原竜也』だった

    私「いや、それがさぁ。そうじゃなかったんだよ。
    イメージ変わった。藤原竜也おそるべしだよ」

    息子「そうなの藤原竜也ってさあ、『いつも切羽詰まってる演技』っていうイメージなんだけど。」

    私「切羽詰まってたよ。そういう設定だったし。
    でも、感情表現が繊細で、思った以上に演技が上手かった。」

    息子「『何をやっても藤原竜也』じゃなかったら、何原竜也だよっ

    訳のわからない突っ込みをされて、会話終了。


    「こりゃ、熱心なファンが付くのも納得できるなぁ」
    と思いました。

    公演プログラムを買う時に、
    「稽古場写真のものにしますか舞台写真のものにしますか
    と、訊かれました。
    そう問われて、気づいたのですが、色違いの2種類のプログラムが置いてありました。

    私が行ったのは、公演後半でした。
    会場がシアターコクーンから、天王洲銀河劇場に移った初日。
    天王洲の方が断然近いので。
    この時期でしたので、舞台写真入りプログラムも売られていたのでしょう。

    私の前に並んでいたおじさんには、何も聞かずに舞台写真バージョンを渡していたのに。

    私は、「藤原竜也さんファンのおばさん」と思われたのかしら・・・。
    (客席では藤原さんファンと思われる方々の
    「あら、こんにちは。コクーンも行ったの」なんて会話が繰り広げられていました。)

    稽古場写真バージョンと、舞台写真バージョンを用意するなんてニクイな。
    そりゃ、ファンは両方欲しいですよね。

    一瞬迷って、直感的に「舞台写真の方で・・・」と答え
    舞台写真バージョンをゲットいたしました。

    東京は、明日5月6日の天王洲銀河劇場で千秋楽

    5月10日の名古屋を皮切りに、大阪、愛媛、長崎、広島、北九州で公演が予定されています。

    おススメです。
    機会があれば、ぜひご覧をいただきたいと思います。

    Date: 2013.05.05 Category: ミュージカル・演劇・映画  Comments (1) Trackbacks (0)

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    Date2013.05.05 (日) 18:06:46

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