持病あり されど 発病せず ~MURDER for Tweを観て~

    私には持病があります。
    舞台を観ると、
    細かいところが気になって、
    重箱の隅をつつくように
    掘り下げたくなる
    という持病です。

    (このブログをお読みいただければ、お気づきでしょうが)

    最近、とみに記憶力が衰えてきたので、一度しか観られない舞台の場合は
    全体のざっくりした印象が残るだけということが多いですが、
    一回ではすまないことが多い坂本さんの舞台では、必ずと言って良いほど発症します。

    今回の「MURDER for Twe」
    大変厳しいチケット争奪戦でありましたが、
    敬愛する友人の皆様のご協力のもと
    大阪と東京合わせて複数回観ることが叶いました。

    ところが
    不思議なことに
    いつもの「掘り下げ病」が発症しなかったのです。

    注意深く観ていくと
    気になるキーワードはちりばめられていました。
    「パートナー」とか
    「マニュアル」(原語ではprotocol)とか
    「友だち」とか
    「透明人間」とか

    それらちりばめられたキーワードに
    好奇心をくすぐられるような心地よさを感じつつも
    掘り下げる気持ちにはなれなかった
    と言うより
    掘り下げることに意味や価値を感じなかった
    と言ったほうが、より正確でしょうか。

    「楽しい作品を素直に楽しもう」
    それが、この作品の鑑賞法としては、ベストだと思いました。

    多忙だったこともあり、ネットサーフィンする余裕もなかったので
    他の皆様の感想は全く読んでいません。
    しかし、様々なサイトで作品の楽しさと
    この作品における坂本さんのすばらしさは十分に語りつくされている
    ということは想像に難くありません。

    ですから、ここでそれを繰り返すことは避けます。

    森ノ宮ピロティホールと世田谷パブリックシアターの客席で舞台を見つめながら、
    私はずっと謝っていました。

    「あの時鼻で笑ってごめんなさい。」と

    あの時とは2002年NHKの番組「真夜中の王国」に出演した時の事
    この番組について6年後に見直した時のことをブログに書いていましたので
    参考に

    こちら

    このブログを書いた6年後の2008年には
    「私には、先見の明がありませんでした。」と反省していますが、
    それでも、2002年時点で
    「ミュージカルには、歌、ダンス、お芝居があるが、自分はお芝居の部分にこだわりたい。
    31歳の自分が、17歳や老人は演じられるが、女性を演じても「坂本昌行が女性を演じている」という風に見られるのではなく、「あの女性は誰?」と思われるくらいに、なりきってみたい。」
    と語っていた坂本さんのことばが、こんな形で現実のものとなるとは、思っていもいませんでした。

    ましてや、2002年当時は
    「な~に言ってんだかっ」と鼻で笑っていました。

    10役+αを軽やかに演じ分ける坂本さんに
    心の中で手を合わせながら
    「鼻で笑ってごめんなさい。
    ここまで来ちゃったんだね。」
    一抹の寂しさを感じながら
    「人ってすごい可能性を秘めているんだ」
    まざまざと見せつけられた2時間でした。

    プログラムを読み印象的だったのは
    「今回は余白を残した状態で」という趣旨の坂本さんのことば

    これまで「丁寧に塗りつぶしていくタイプ」だったという坂本さん

    「坂本さん、なんだかこれまでと違う」と感じたのは、
    そこだったんですね。

    先日たまたま見た「SWITCHインタビュー」香川照之さんと藤山直美さんの回。
    そこで、藤山さんがおっしゃっていた
    「良い役者は鍛錬を普通のことだと思える人。鍛錬を『自分は努力している』と思っていると、それはお客様にわかってしまう。」
    (うろ覚えなのでニュアンス)
    という言葉が非常に印象に残りました。
    「努力」という意識はある意味の「押しつけがましさ」を生むのでしょう。

    舞台を観て「頑張っているね」と言われるうちは駄目ってことですね。

    坂本さんはものすごい「鍛錬」を積まれて来たのでしょうが、
    いっさいの押しつけがましさはありませんでした。

    毎朝のハノンもきっと日常に溶け込んでいたのでしょう。


    実は
    OMSでかなり満足した私は
    「今年は、もうOMSだけで十分。
    もし今年他に何もなくても耐えていける。」
    と思っていました。

    ですから、
    「MURDER for Twe」はおまけみたいなもの。
    なんて、失礼なことを考えていました。

    事前にCDも聴いていたので
    「じっくり歌い上げる曲もないし、
    おそらく踊らない作品だろうから、
    そんなに期待できないわね。」
    なんて、舐めてました。

    返す返す
    ごめんなさい。

    第一印象は「ダーリアさんとドクター・グリフは作りすぎじゃない?」でしたが、
    すべて見終わると、他のキャラクターとのバランスで、あれ位が丁度良い。

    ステフはCD版より可愛い。

    千秋楽後オフ・ブロードウェイの動画も見ましたが、
    バレットさんは坂本さんの方が美しかった。

    (ちなみに、オフ・ブロードウェイの動画ではピアノを弾く手元がしっかり映ってました。

    不謹慎なのかもしれませんが、ヴァネッサの最期も鳥肌が立つほど美しかった。


    感想文用紙をもらって来て、行くたびに箱に入れました。
    いつものように、「上げて落とす」な内容でしたが、
    これまでだと「上げて、落として、落として、要望、要望、要望」パターンでしたが、
    今回は、「上げて、上げて、ちょっと落として、要望は控える」パターンになりました。

    今回唯一残念だったのは、数少ない二人のデュエットで、ハーモニーがピタッとはまる瞬間が無かったこと。
    その手の作品ではないのかもしれませんが、ついつい欲が出てしまうものです。

    失礼は話ですが、それを、感想文用紙に書いたら、
    千秋楽は二人のハモリ部分を丁寧に歌ってくださったような気がしました。
    気のせいかもしれませんが・・・。
    いや、気のせいですね。

    感想文には
    「歌い上げ系のグランドロマン作品より、このようなオフ・ブロードウェイ作品の方が、坂本さんに合っているのかも」
    と書きましたが、心のどこかで「大劇場の真ん中に立つ坂本さんも見たい」と思っているのも事実

    「この先も、元気に生きていかなくちゃ
    もっともっと、新しい坂本さんを観たい

    と、すぐその気になってしまう私。

    ブロードウェイ貯金
    始めました。
    Date: 2016.06.26 Category: MURDER for Two  Comments (1) Trackbacks (0)
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    プロフィール

    ぽん

    Author:ぽん
    V6(ファンになって14年目)と
    ウルトラ(ファンになって49年)と
    ディズニーリゾート
    (足を運び始めて22年)
    様々なジャンルの舞台(はまって50年)から、
    日々の活力をもらっています。

    これらに共通するのは、「イマジネーションを喚起する一期一会の出会い」があることです。

    いくつになっても、自らのイマジネーションの泉を枯らさないために、ブログを書いています。

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